何度片付けても、また散らかる。
ものを減らした方がいいのは分かっているのに、捨てられない。
収納を増やしてみても、いつの間にかそこもいっぱい。
「今度こそ片付けよう」と思っているのに、どこから始めたらいいのか分からない。
50代になっても片付けられない自分を見て、
「私は片付けが苦手だから」
「捨てられない性格だから」
「だらしないから」
そんなふうに思っていませんか?
でも私は、片付けのサポートをしていて思うんです。
同じように「ものが多くて片付かない家」に見えても、そうなっている理由は、人によって全然違う。
だから、
「まず捨てましょう」
「まず服から始めましょう」
「収納場所を決めましょう」
と、全員に同じ方法を当てはめても、うまくいかないことがあります。
片付けられないのは、あなたの意志が弱いからではなく、まだ「私の場合、なぜ片付かないのか」が分かっていないだけかもしれません。
50代で片付けられない理由は「ものが多いから」だけではありません
もちろん、ものが多ければ管理は大変になります。
でも、
「ものが多い」ことは、原因ではなく結果かもしれない。

私は、お客様のお話を伺うとき、ものだけを見ているわけではありません。
どうしてこれを持っているんだろう。
どうしてこれは手放せないんだろう。
どんなときにものが増えるんだろう。
どこで片付けが止まるんだろう。
そんなことも見ています。
すると、その人によってまったく違う背景が見えてきます。
「持っていたい」の奥に、不安がある人
「いつか必要になるかもしれない」
「なくなったら困るかもしれない」
「また買うことになったらもったいない」
そんな思いから、ものを多めに持っていることで安心できる人がいます。
この場合、
「一年使っていないものは捨てましょう」
と言われても、簡単には手放せません。
その人にとって、そのものは単なる不用品ではなく、安心の役割をしていることがあるからです。
ずっと我慢してきた反動で、ものが増える人
家族を優先してきた。
自分のことは後回し。
欲しいものがあっても、ずっと我慢してきた。
そんな人は、
「これくらい買ってもいいよね」
と、ものを買うことで自分を満たしていることもあります。
買うことが悪いわけではありません。
ただ、入ってくる量と出ていく量のバランスが崩れれば、家の中には少しずつものが増えていきます。
「もったいない」「申し訳ない」で手放せない人
いただきもの。
高かったもの。
まだ使えるもの。
誰かが大切にしていたもの。
ものを手放そうとすると、
「捨てたら申し訳ない」
という気持ちが出てくる人もいます。
頭では「使っていない」と分かっていても、手放すことが、そのものに対して、「申し訳ない」と感じてしまう。
だから止まります。
思い出や人とのつながりを、ものと一緒に大切にしている人
子どもの作品。
昔の写真。
亡くなった家族のもの。
思い出の服。
大切な人にもらったもの
こういうものは、
「使っている・使っていない」
だけでは選べません。
だから私は、こういうものから片付けを始めることをおすすめしていません。
片付けの中でも、とても難しいものだからです。
でも、片づけられない理由は「心」の問題だけでもありません
ここが、最近私がますます大事だと思っているところです。
片付かない理由を探していくと、
「不安があるのかな?」
「我慢してきたのかな?」
「罪悪感があるのかな?」
と、心の方へ目が向くことがあります。
もちろん、そういう背景がある人もいます。
でも。
全員に、何か深い心理的な理由があるわけではありません。
実際にサポートしている方の中にも、お話を聞いていて、そしていざ、厳選をサポートしてみて、
「あれ?この人、そんなに不安でもなさそうだし、ものを手放すことに強い罪悪感があるわけでもないな」
という方がいました。
でも、ものはたくさんある。
じゃあ、何が起きていたんだろう?
片付かない家は、「ものが動いていない家」なのかもしれない
その方のお話を聞いていて見えてきたのは、
ものに動きがない
ということでした。
家のどこかにあることは分かっている。
でも、探すのが大変。
だから、もう一つ買う。
ものが増える。
増えたから、さらに見つけにくくなる。
また買う。
そうやって、
入ってくる。
でも、使われない。
戻らない。
出ていかない。
ものが家の中に堆積していきます。
これって、
「捨てられない性格だから」
だけでは説明できません。
必要なのは心理を深掘りすることではなく、
ものがちゃんと動く家に変えていくこと
かもしれないんです。
50代は、暮らしが変わっても家の使い方が昔のままになりやすい
もう一つ、50代の方のお家を見ていてよく感じることがあります。
子どもが巣立った。
家族の人数も変わった。
生活時間も変わった。
なのに、
家の使い方だけが、子育て中のまま。
先日も、サポート中に
「どうして彼女の衣類がここにあるんだろう?」
「どうしてわざわざ髪をここで乾かしているんだろう?」
と気になったことがありました。
聞いていくと、1階と2階を何度も行ったり来たりしている。
今の暮らしだけを考えたら、もっとラクな場所があるのに。
でも、きっと子どもがいた頃には、その場所が便利だったんです。
そのときの暮らしに合わせて決めたものの場所や動線が、暮らしが変わった今も、そのまま残っている。
家って、一度決めた場所をなかなか疑いません。
だから自分では気づきにくいんです。
50代の片付けは、「今の私」に家を合わせ直すこと
私は、50代の片付けって、単にものを減らすことではないと思っています。
子ども中心だった家。
家族の予定を優先していた暮らし。
何十年も続けてきた動き方。
それを一度、
「今の私には、どうなんだろう?」
と見直してみる。
子どもが巣立ったなら、ものだけじゃなく、家の使い方だって、選び直していい。
これからは、
「家族にとって便利な家」だけではなく、
「私が心地よく暮らせる家」
に変えていっていいんです。

だから、「どこから片付ける?」の答えも一人ひとり違います
ここまで読んでもらうと、「じゃあ、結局どこから片付ければいいの?」と思うかもしれません。
でも、その答えも一つではありません。
衣類から始めた方がいい人もいる。
キッチンから始めた方がいい人もいる。
ものを捨てる前に、まず家の使い方を変えた方がいい人もいる。
収納場所を変えるだけで、ものが動き始める人もいる。
だから私は、
「片付けは、まずここから」
と全員に同じ順番をおすすめしていません。
見るのは、
今、どんな暮らしをしているのか。
何に困っているのか。
どんなものを持っているのか。
どこで動きが止まっているのか。
そして、
これから、どんなふうに暮らしたいのか。
そこまで見て初めて、
「あなたの場合は、ここから」
が見えてきます。
深掘りしてから片付けるんじゃない。片付けながら、分かっていく。
なるほど、不安や罪悪感か、「片付けられない原因が心にあるなら、まず自分と向き合わなきゃ」と思う必要もありません。
私は、
見えないものとは戦わなくていい
と思っています。
不安も、我慢も、罪悪感も、目には見えません。
でも、ものは見える。
触れる。
手に取れる。
だから、
「これは好き?」
「今の私に必要?」
「なぜここに置いてあるんだろう?」
と、実際にものを触りながら考えていく。
すると、
「あ、私、こういうものばっかり残してたんだ」
「これ、今の私にはもう必要なかったんだ」
「私はこういう暮らしがしたかったんだ」
と、あとから分かってくることがあります。
深掘りしてから片付けるんじゃない。
片付けながら、分かっていく。
私は、その順番がいいと思っています。
「何を捨てる?」より先に、「私はどう暮らしたい?」
片付けようと思うと、
つい、
「何を捨てよう?」
から始めてしまいます。
でも、50代になった今だからこそ、
その前に一度、
「私は、これからどう暮らしたい?」
と考えてみてほしいんです。
そして、
「何度やっても片付かない」
「自分では、どこから変えたらいいのか分からない」
「今度こそ、自分に合った方法で家を変えたい」
と思っているなら、
もしかしたら必要なのは、
もっと頑張ることでも、
もっと捨てることでもなく、
「私の場合、何が片付けを止めているのか」
を一度、一緒に整理することかもしれません。
私は個別相談で、
今の暮らしや家の状態、お困りごとを伺いながら、
「あなたの場合、どこから始めるといいのか」
を一緒に考えています。
家を変えるのは、私ではありません。
実際にものを選び、手を動かし、暮らしを変えていくのは、ご本人です。
でも、
一人では見えなかった「最初の一歩」を、一緒に見つけることはできます。
もし今、
「じゃあ、私の場合は?」
と思ったら。
そのときは、お話を聞かせてください。
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